総合知創出研究プロジェクト

プロジェクトリーダー

坪 充 教授(乾燥地研究センター)

プロジェクト構成

気候変動による死亡を防ぐ極限生理学の確立と社会実装

グループ長: 檜山 武史 教授(医学部)

極低侵襲植物成分モニタリング技術による植物育成状態のリアルタイム計測と、育成フィードバックシステム

グループ長: 松永 忠雄 准教授(工学部)

プロジェクト概要

乾燥地や開発途上国における社会課題解決に向けた総合知を創出する

①気候変動による死亡を防ぐ極限生理学の確立と社会実装

気候変動により全地球規模で平均気温が急速に上昇し、乾燥地化が進むとともに途上国では高齢者を中心に死亡例が増えています。その対策が喫緊の課題です。国内では、特に鳥取県は人口あたりの熱中症搬送人員数が国内最悪の水準にあり、対策を急ぐ必要があります。本プロジェクトでは、脱水状態の生理学を進めてきた専門家と地域医療の調査と実践を進めてきた専門家の力を結集し、環境の悪化による極限状態で起きる体内現象を究める「極限生理学」の構築(目的1:学術知の確立)、熱中症が起きている地域の実情と背景の調査と有効な対策法の確立(目的2:現場知の確立)、地域ぐるみで対策を進める方法論を検討し、それを途上国に展開する社会実装(目的3:総合知による社会実装)を目指します。

低侵襲植物成分モニタリングシステム概念図

②極低侵襲植物成分モニタリング技術による植物育成状態のリアルタイム計測と、育成フィードバックシステム

世界の各地域において植物の栽培効率を向上するためには、地域に応じた品種を提供するための植物の品種改良サイクルの短縮化や、育成状態やリアルタイムな育成環境の最適化による育成の高効率栽培の実現など、革新的栽培技術の実現が求められています。本研究では医工学研究で培った低侵襲検査デバイスを農工連携にも応用し、植物の極低侵襲リアルタイム計測成分モニタリングシステムを開発します。具体的には、独自開発の技術で作製した非平面微小還流流路付直径200μmの針を植物へ刺入し、低侵襲で植物の生体成分を採取します。採取した液体成分から植物生体の管理指標とされていた糖度、有機酸濃度、アミノ化合物、硝酸体窒素の体内推移濃度などを計測し、定量的な生育モニタリング指標を提案していく予定です。

低侵襲植物成分モニタリングシステム概念図