気候変動影響・生態系修復プロジェクト

プロジェクトリーダー

黒崎 泰典 教授(乾燥地研究センター)

プロジェクト構成

気候変動グループ

グループ長:黒崎 泰典 教授(乾燥地研究センター)

生態系影響グループ

グループ長:衣笠 利彦 准教授(農学部)

生態系修復グループ

グループ長:谷口 武士 准教授(乾燥地研究センター)

プロジェクト概要

“気候変動の砂漠化、乾燥地生態系への影響解明及び生態系修復法の開発”

豪雨、猛暑日といった異常気象から、日本においても気候変動を実感するようになりました。乾燥地においても、熱波、干ばつ、さらに寒波や大雨といった異常気象が発生しており、今後、それらの発生頻度が増加すると予測されています。乾燥地は雨が少ないため、植生量が少ないだけでなく、種多様性も小さいという特徴があります。また、乾燥地の多くが発展途上国であり、無理な経済活動の結果、過放牧や過耕作といった不適切な土地利用が行われることで砂漠化が進み、生態系が脆弱化します。こういった乾燥地において、今後、気候変動が激しくなることによって、砂漠化がさらに進み、より一層、生態系が脆弱化することが懸念されます。本プロジェクトでは、モンゴルの草原生態系を主な対象地域として、気候変動の草原生態系への影響を解明し、脆弱になった生態系の修復法を開発します。気候変動グループでは、気候データ、現地観測データ、衛星リモートセンシングデータを用いた過去の気候変動と生態系、風食の関係を解明し、将来気候データに基づいた将来予測を行います。生態系影響グループでは、気候変動の生態系及び牧畜への影響を解明し、気候変動下の持続的な牧畜生産にむけた適応策の策定を目指します。生態系修復グループでは、植物、土壌有機物、土壌微生物の利用による乾燥地生態系の修復や持続的土地利用に資する技術を開発します。これらの研究の多くは、乾燥地のフィールドにおいて現地共同研究者と進め、将来の気候変動を見据えた乾燥地最大の課題である砂漠化の解決に取り組みます。

草原における温暖化操作実験
砂漠化土地の緑化への微生物利用事例
(左は土壌微生物接種なし、右は土壌微生物接種あり)